前回別の記事で、「障害者の就職は簡単とは言わないけど、正しい方法で仕事を探せばそこまで難しくはない」という話をしました。
⇒障害者の就職・転職が難しいと思ってませんか?ありがちな間違いまとめ
そこでこの記事では、障害者の就職・転職の現状をデータで見ていきたいと思います。
目次
障害者の就職率・定着率・離職率ってどれくらい?
障害者の就職の現状を示すデータとして、厚生労働省の「平成29年 障害者雇用状況の集計結果」を利用し、そこから、就職率・定着率・離職率を見ていきます。
まず、働いている障害者の数は約50万人、内訳は身体障害者が約35万人、知的障害者が11万人、精神障害者が約5万人です。
障害者の就職率は40歳で比較すると、健常者が81.7%に対し、身体障害者は58.5%、知的障害者が52.5%、精神障害者が16.5%と、精神障害者が群を抜いて就職率が低いことがわかります。
知的障害者の就職率は一見身体障害者と大差ないものの、一般企業ではない作業所が59.1%も占めています。
この作業所の割合は、精神障害者では37.7%を占め、精神障害者の就職がいかに困難かを示しています。
ただし精神障害者に求人が無いのかというと、そうではありません。
大手障害者就職・転職支援サイトの求人を見ると、半分は精神障害者、残りは知的障害者と身体障害者になっています。
つまり精神障害者でも、働けるレベルの方であれば、問題なく内定を取ることはできます。
精神障害者=働けないという意味ではないので、ご安心ください。
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障害者の一年後の定着率は?
障害者別の1年後の定着率は、身体障害者60.8%、知的障害者68.0% 精神障害者49.3% 発達障害者71.5%で、精神障害者の定着率の低さが際立っています。
定着率と裏返しの離職率は身体障害者が39.2%、知的障害者が32.0%、精神障害者が50.7%、発達障害者が28.5%ということになります。
定着率を表す別の指標として、平均勤続年数が挙げられますが、身体障害者は約10年、知的障害者は約8年、精神障害者は約5年です。
精神障害者の平均勤続年数は、身体障害者の約半分なのです。
求人別に1年定着率を見ていくと、就労継続支援A型求人が67.2% 障害者求人が70.4% 一般求人(障害開示)が49.9% 一般求人(障害非開示)が30.8%となっています。
障害者枠でオープンで就職したほうが、一般就労するより定着率が高いんですね。
また大企業と中小企業、どっちの方がいいの?という問題ですが、企業の規模別の1年定着率は50人未満の企業では50%を下回りますが、100人以上の企業では60%を超えます。
やはり大企業の方が働きやすいと言えます。
大企業で働きたい場合は、以下の記事を読んでみてください。
就職活動開始から入社までどれくらいの期間かかるもの?
統合失調症で手帳2級のKさんは、作業所の就労支援・ハローワーク・合同面接会で就職活動を行いました。
就職活動期間は約1年です。
就いた仕事は一般事務の短時間労働です。
アスペルガー障害で手帳3級のSさんの場合、障害者枠での就職活動に加えて、一般就労にクローズとオープンでの就職活動を行いました。
就職にかかった期間はトータル2年で、その内1年は職業訓練校での訓練です。
結果、フルタイルの一般職に就職することができました。
発達障害者のFさんは療育手帳がB2です。
40歳の時に障害が判明してそれから障害者枠で就職活動、8カ月で電機メーカーの経理事務です。
正社員ということもあり、満足されています。
3人の例を挙げましたが、障害によって就職の難易度は変わるため、一概に就職活動にかかる期間を示すことはできません。
ただし、体験談を読んでいると、転職サービス等利用せず自分一人の力で就職活動をすると、平均すると1年程度はかかることがわかります。
ちなみに障害者の面接通過率は、3%と言われていますが、就職・転職支援サービスを利用した場合は75%と言われています。
利用料は最後まで完全無料なので、やはり就職・転職支援サービスは使っておいた方がお得と言えるでしょう。
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障害者の方が就職する際、何社くらい応募(面接会含む)する方が多い?
就職活動中に応募する会社数は、身体障害者は数社応募という声が多いですが、精神障害者は数十社という声も珍しくありません。
傾向としては、精神障害者の方が身体障害者よりも応募者数が多い傾向にあります。
ただし、障害の特性やそれまでの経験や知識によって差が出るので一概には言えません。
ちなみに合同面接会に参加すると、多い方で一日に7社くらい面接できます。
一回の合同説明会で就職が決まる方も中にはいらっしゃいます。
詳しくは以下の記事をお読みください。
障害者の勤務時間って、どれくらい?(フルタイムで働いている人はどれくらいいる?)
短時間労働者(労働時間が週30時間未満)の割合は、重度身体障害者10.2% 一般身体障害者10.5% 重度知的障害者17.8% 一般知的障害者20.0% 精神障害者29.7%です。
身体障害者の9割、知的障害者の8割、精神障害者の7割がフルタイムで働いているということになります。
勤務時間が短い、あるいは長いという理由で転職する障害者の方も多いです。
ちなみに大手障害者求人サイトのデータを見ると、約35%が正社員雇用、約30%が正社員登用ありの契約社員となっています。
障害者の仕事はパートやアルバイト、昇進のない契約社員ばかりというイメージもありますが、必ずしもそうではありません。
障害者に人気の職種・就職先って、どんなものがある?
それでは次に、障害者の方に人気の職業についてご紹介します。
精神障害者に人気の職種
事務職や軽作業に人気があります。
事務職は、障害者に特化した派遣会社が紹介してくる職種でも一番数が多くなっています。
身体障害者に人気の職種
身体障害者就職先として人気の職種は事務職です。
精神障害者・知的障害者・発達障害者はマルチタスクが苦手だったり、他社との交流が苦手だったりするので、より複雑で給料も高めな事務に人気があります。
知的障害者に人気の職種
精神障害者と同じく、事務職や軽作業に人気があります。
発達障害者に人気の職種
専門・技術職に人気があります。
プログラマーやシステムエンジニアです。
各障害者の方が定着しやすい仕事内容は?
それでは次に、具体的な職業を見ていきましょう。
ただし、もしどうしても働きたい仕事がある場合には、ぜひそちらを積極的にチャレンジしてくださいね!
ちなみに各障害別の具体的な適職はこちらで紹介しています。
精神障害者が向いてる仕事
精神障害者に向いている仕事の種類は、他人とのコミュニケーションでストレスを感じる方が多いので、グループでの仕事より、個人で完結する仕事です。
電話を取るのが少ない仕事も向いています。
臨機応変な対応を求められる仕事よりも、ルーティンの仕事の方が長続きします。
また、精神障害者の場合は、仕事とのミスマッチを起こして辞められる方も少なくありません。
ある程度規模の大きい会社の方が配置転換可能なので、働きやすいといえます。
配置転換先として挙げられるのは、警備の仕事や清掃の仕事です。
身体障害者が向いてる仕事
障害の部位によりますが、身体に負担を掛けたいためにもデスクワークが働きやすい仕事となります。
バリアフリーが必要なのか、そうでないのかによって選べる会社は違ってきます。
身体障害者は、身体的に楽に動ける仕事が向いているのです。
知的障害者が向いてる仕事
マニュアル通りに作業を行う仕事に向いています。
他の人とのかかわりがあまりない仕事だと、マイペースで仕事ができるのでストレスがかからず長続きします。
知的障害者の就職ランキングを見ると、1位がクリーニング工、2位がミシン縫製工、3位がパン・菓子工となっています。
発達障害者が向いてる仕事
発達障害者が向いている仕事内容は、障害の特性にもよりますが、多少専門的でも自分で黙々と進められるようなものです。
仕事が簡単すぎると飽きてしまって、定着率があまりよくない傾向が見られます。
また、障害の種類に関わらず、大企業が障害者のために作っている特例子会社だと、障害の悩みを抱えている人を採用することを前提としているのでノウハウを持っていることが多く、障害者にとっておすすめの転職先といえます。
ちなみに大手障害者専用の求人サイトでは、10000件以上の求人があります。(会員登録なしでも公開求人2000件は見れます)。
障害者の就職・転職支援サービスは最後まで完全無料なので、ぜひ一度足を運んでみてください。
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